1年ごとに発表されるトレンドカラー
“トレンドカラー”がどのように決められているのか、ご存知でしょうか?
各企業が予想したり流行させたりしているのではなく、実は毎年1つのカラーが明示的に選定されているのです。
米国にあるPANTONE(パントン)社から、世界基準の流行色がカラー・オブ・ザ・イヤーとして1年ごとに発表しているカラー。それが、その年のトレンドカラーとなっています。
移り変わりの著しいクリエイティブ業界では、トレンドカラーへの関心もより強く、街で目にするアートやファッションだけでなく、Webサイトにもトレンドカラーを取り入れたデザインがよく見られます。
色彩のプロフェッショナル”PANTONE”とは?
PANTONE®︎ https://www.pantone.com/
PANTONE社とは、デザイン業界向けのプロフェッショナル・カラースタンダードとデジタル・ソリューションを提供しているカラーデザインの会社です。グローバルで最も普及している定番のカラーチャート『PANTONE®︎』の商標でも有名です。
トレンドカラーはエンターテイメントやアート、ファッション、社会経済、テクノロジーなどといった色彩に関連性のある業界を幅広く調査・分析し、綿密に検討されていきます。
そうしてPANTONEが、毎年12月に発表しているカラー・オブ・ザ・イヤーは、あらゆる新しいプロダクトのテーマカラーや配色の1つとして活用され、そのものに洗練された印象を与えています。
2019年の流行色は、『Living Coral/リビングコーラル』
PANTONE®︎ https://www.pantone.com/
2019年度のトレンドカラーとして選ばれたのは、この鮮やかなコーラルピンク、”PANTONE 16-1546 Living Coral”です。
カラーコードはこちらです。
– HTMLコード:#FF6F61;
– RGB:R255,G111,B97
– CMYK:C0, M65, Y54, K0
人生を肯定するコーラルの色合いは、柔らかめのエッジとともに活気を与えると紹介されています。
自然環境にも見られ滋養をもたらすカラーであるとともに、明るい将来を思わせるような暖かく活き活きとした色合いは、特有の存在感を誇示しています。
また、公式サイト内のPalette Explorationのページにて、Adobeソフトのカラースウォッチで利用できるLiving CoralパレットのASEファイルのダウンロードが可能です。
コーラルカラーが使用されているWebサイト
トレンドカラーがコーラルということで、実際にこのカラーが使われているWebサイトを参考としてご紹介します。
Marie Laurent http://marielaurent.fr/
パリを拠点として活動する、デジタルデザイナー兼イラストレーターさんのWebサイトです。
レイアウトをシンプルに構成することで、マットで明るいそれぞれのカラーを一層映えて見せているデザインです。
コーラルピンクから感じられる独特の暖かみと陽気さが、それ以外のカラーとのコントラストを生み出し、主役として相応しいカラーとして表現されています。
京こもの 衣笠 https://kyoto-kinugasa.co.jp/#
京都こもの 衣笠のWebサイトでは、配色のアクセントカラーとして使用されています。
コーラルの色味は鮮やかで快活なイメージがありますが、こちらでは和紙のテクスチャや品のある配色により、染色された京都のこもののような優しい風合いが表現されています。
Adobe Stock × パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー 2019
Adobe Stock https://stock.adobe.com/jp/
現在、1憶2500万点以上のアセットを保有しているAdobe Stockは、ビジュアル・インスピレーションやクリエイティヴ制作を行うクリエイターにとって、有益で素晴らしいリソースツールです。
PANTONEは、2年連続でAdobe Stockとパートナーを組み、クリエイティヴ業界に新しい刺激を与え、推進させていくために、トレンドカラーの特質を集約したカラー・オブ・ザ・イヤーコレクションを発表しています。
こちらのAdobe Stockのcollectionsページから、2019年”Living Coral”のギャラリーをご覧いただけます。
柔和な印象とともに、ダイナミックで活気を与えるトーンを象徴するかのようなLiving Coralのストック素材が公開されています。
まとめ
Webデザインの本質は、情報やイメージをユーザーに的確かつ明瞭に伝えることです。
そのため、Webデザインにおいてのトレンドは、デザインを思索・提案していく際に、役立つ1つの視点として抑えておきたい知識です。
このトレンドカラーが有効な案件の際には、積極的に取り入れていき、クリエイティブなデザインを創り出していきましょう。
2019年の今後も、”Living Coral”がどのようなWebサイトやプロダクトに用いられていくのかを楽しみなところです。
また、あなたがこの記事で、毎年の美しいトレンドカラーを意識するようになり、それが色についての感性を少しでも高められるチャンスになれると幸いです。