分析失敗!続かないデータ分析の具体例5つ

分析・改善
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なぜあなたのデータ分析は続かないのか?

気合の入った図表、練り上げられたロジック、一分の隙もない網羅性、データ分析を任されたあなたは多くの時間をかけレポートを作り上げます。そして迎えるミーティング、あなたは用意された原稿を手に朗々と分析結果を説明。ふと見渡すと興味なさそうにデータを見つめる顔・顔・顔…。結局データ分析はその1回こっきりで終了。

なぜデータ分析は継続することが難しく、ビジネスの運用に活用することができないのでしょうか?今回は続かないデータ分析の具体例を5つ紹介し、データ分析に潜む根本的な失敗要因を明らかにいたします。

2つの問題によって分析施策の失敗が引き起こされる

データの分析施策には大別して2つの問題が存在しています。この問題は一見データ分析と直接関連が無いようにも思われるのですが、それらが存在している限り、あなたの分析施策は間違いなくうまくいかないのもまた事実なのです。

その1:分析工数がでかすぎる問題

データ分析は意思決定を行うための下支えをするものです。ですので、分析そのものには(基本的に)生産性がありません。それにも関わらずデータ分析の作業は、適切に管理しなければ結構な工数がかかってしまいます。分析するための工数が膨らめば膨らむほど、”意味があるのか”、”何のためにやってるんだ”、”オフィスの外でティッシュ配った方がましなのでは”、といった感情が関わるメンバーに芽生えてきます。

結論:分析に関わる工数はこだわり抜いて最小限に抑えるべし

その2:レポートを誰も見ていない問題

データ分析は意思決定を行うためのものですが、基本的に意思決定者は細々としたデータの羅列には興味を示しません。分析担当者の”上は根拠もなく意思決定する”という愚痴が聞こえてきそうですが、実際のところ、原因は分析担当者にあります。分析担当者は意思決定者の重視する要素を見定め、それに関係した数値を集めレポート、並びにストーリーを作らなければならないのです。興味のないものに人は関心を示さないのです。

結論:意思決定者に関心を持たれるデータを扱うべし

重視するポイントを誤ってはいけません

代表的な失敗要因を見てみよう

これまでお話しました通り、続かない分析は工数が多く、意思決定者にとって関心がないデータを扱っているわけですが、具体的にはどの様なものになるのでしょうか?5つの例を挙げてみましたので、今現在分析で困っている方はご自身の状況と比べてみてください。

1. 恐怖のデータ整形!永遠に続く作業…

意思決定にはデータが必要だ!と会議前にチーム総動員でデータを集めている。そんなことはありませんか?定期ミーティングの日はデータ整形と図表作成で1日が終わる…。苦労して作ったデータも上長はちらっと確認するだけで終了。更に分析担当は集めたデータを再集計・統合・確認とひたすらに作業をし続け、次第に担当者はデータそのものに関心を失っていく…。

教訓:永遠とも思えるデータ整形はデータそのものへの関心も失わせる結果に終わります

2. 気合で仕組化!現場は疲弊…

データの種類が多すぎる?じゃあ仕組みを作ればいいじゃない、と某フランス夫人のようなことを言い出す担当者もおられます。エクセルからスプレッドシートへの変換、メールからローカルファイルへの自動ダウンロード、データベースの構築にSQLによるファイルの統合…。複雑怪奇なデータ構築はいつしか誰も把握できないブラックボックスになり、データ形式が変わるとエラーが頻発するやっかいな縛りへと変貌…。

教訓:複雑化する自前のシステムは柔軟な動きを阻害する鎖に成り果てます

3. 解釈が複雑すぎ!担当者以外は理解不能…

多重回帰曲線・統計的処理における指標の優位性・変数AがXX以下の時変数BがXX以上であればよい状態で…。「わけがわからん!」と不機嫌になってくるマネージャー、フォローもできないチームメンバー。最終的には「分かるように話してくれ!」とバッサリ終了…。

教訓:意思決定者に分からない分析は内容どうあれ、存在していないのと一緒です

4. 百科事典並みの情報量!誰が見るんだ…

このセグメントは年齢×性別×デバイス×時間帯×クリエイティブ10種類ごとのデータです!資料は全部テーブルで50ページ!この資料を見れば施策で比較されていない部分はございません…。よく見てみたら各セグメントのインパクトは全体売上の0.2%程度、これでは議論が進むも地獄、議論が進まないも地獄…。この分析は何のために存在しているのか、データ分析は研究論文用ではないはず…。

教訓:データの網羅性は分析担当者が考えているほど重要ではありません

5. 完璧なグラフ!だが誰も見ない…

美しく並べられたグラフ、色彩感覚からモダンなフォーマットまで完備、ただ誰も見ていない…。ツールのログインアイパスは共有されていないし、そもそもどのタイミングで何を確認するのか明確じゃない。ってゆーかそのファイルどこにあるの!?サイトの導線は注視しても社内の導線には無関心…。

教訓:サイトの導線を考えるなら、社内の分析導線を整備しときましょう

改善の一歩を踏み出すために

ここまでデータ分析に絶望せざるを得ない例をみてきましたが、ご安心ください。解決策は当然あります。単純な話、多くのデータ分析の現場で大風呂敷を広げすぎて失敗しています。ですのでミニマリストから始めていきましょう。

最小限から始めよう

扱うデータは最小限のものでいいです。網羅性は一旦忘れてください。
最初の分析ステップは”何を対象に分析を深めていくのか”を見定めることだと思います。
いきなり答えに辿り着くための分析をしようとするのが失敗の始まりです。

重要な数値から始めよう

ここで言われる重要な数値とは、意思決定に影響する指標の事をいいます。
意思決定がどのようなプロセスで行われるのか、そこからどの様な施策が想定されるのか、
それらを把握していれば自ずと重要な数値は見えてくるはずです。

意思決定に活用しよう

分析を行いレポートを作ったのであれば、その結果を基に意思決定をしましょう。
どんな小さな決定でもいいので、データを基にした意思決定を積み重ねましょう。
この結果だからこうします、というプロセスに慣れることによって分析を使いこなしましょう。

いきなり高度な分析に手を出すのはやめておきましょう

まとめ

データ分析がうまくいっている企業様が行っている分析は驚くほどシンプルで、またシンプルが故に強固なロジックとなっています。分析の複雑さは、決してその精度と効果を保証しませんので、優先すべきは”工数の最小化”と”意思決定への影響力”であることを肝に銘じて分析を行ってください。

分析の方法論につきましては前回の記事「分析細かすぎ問題について考えよう」でも記載していますので、是非とも参考にしてみてくださいね。

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