みなさんはウェブ広告の配信で入稿間違いや配信設定など”配信ミス”をしたことがありますか?
恐らく、ウェブ広告の運用者で大なり小なりミスをしたことが無い人はいないと思います。そのくらい、ウェブ広告の配信に必ずといっていいほど発生する”ミス”。
広告の入稿やターゲット設定、予算設定などミスの原因はさまざまです。ミスが起こるたびに、謝罪や補填、経緯報告書や改善案の提示など時間がかかる業務が増えて、他の案件がおろそかになってしまい、またミスをしてしまうなど悪循環に陥ってしまいます。
小さなミスであっても案件が無くなってしまったり、お客さんからの信用を失うなど会社自体のの信頼を大きく落としてしまうこともあります。
ただ、運用するのは人間ですから100%ミスを無くすことは不可能です。
そのため、ミスが起きてしまった時に原因を探り対策を考えてチーム内で共有し再発を防止する動きが非常に大切になります。
今回はそんなミスの予防と対策について、実際に私のチームで行っている仕組みを例にご紹介します。
広告運用でよくある“ミス”
リスティング広告・ディスプレイ広告・動画広告など広告の種類や配信手法はさまざまですが、ミスの種類は下記の3つに大きく分かれます。
●入稿ミス
広告入稿時に画像やテキスト、リンク先などの間違い
●ターゲットの設定ミス
属性や年齢や地域などのデモグラフィックデータ、興味関心やキーワードなどのインタレストデータの設定間違い
●予算や入札の設定ミス
予算や入札単価などの設定ミス
ミスのほとんどは上記のどれかに当てはまることが多いです。
どのミスも個人だけの対策では解決しにくいものばかりです。
“ミス”は個人の意識では無く、仕組みで改善する
よくあるのが個人の意識を変えてミスを防止しようとする方法ですが、必ずそれが万人に通用するわけではありません。
その人にあった対策・予防の方法はあるものの個々人で解決策を考えるのは時間がかかります。
そのため、チーム内で対策・予防を考えて情報共有とルール決めをする事で誰でも実施できる仕組みづくりが必要です。
チームで情報を共有できる場を設ける
まずは情報を共有できる場を設けることから始めます。
私たちの運用チームは週に1回、全員参加のミーティングを実施しています。
もちろんそこではミスのことだけでなく、最新情報や成功事例の共有なども行っています。
また、収集されたミスに関してはアーカーイブしていき、新しい人が入社した際なども閲覧できるようにリスト化しておくとよいでしょう。
チーム全員で原因や改善策を考える
情報共有の場で発生したミスについて話をする際は全員で原因や改善を考えます。
ただ聞くだけでは人はなかなか頭に入りませんし、一人だけで考えてしまっては意見がかたよってしまいます。
改善策を業務フローに取り込む
情報共有の場で考えた改善策を行動に落とし込むには業務フローに取り込むことが最良です。
たとえば、入稿ミスが発生したら、確認リストを作成しセルフチェック・ダブルチェックの際に活用するなどが考えられます。
広告運用は一人で行うものではない
今までお話した内容は一人では実行できないものばかりになります。
チーム内で情報が共有できる、業務を分担できるような体制づくりが必要不可欠です。
チーム内で共通したフローに沿って業務に取り組める体制を作る
チームミーティングなどの情報共有ができる場で改善策を業務フローに取り込むと、チーム全体が必然的にフローに沿って業務を行うことができるようになると思います。
そうすることで、人によってやり方が大きく違うなど属人化した業務が少なくなり、第三者への依頼がスムーズになるなど、チーム内での連携が高まります。
入稿や配信設定はダブルチェックを行う
冒頭で記載したように人間ですからミスは必ずと言っていいくらい発生します。
ミスの予防すべてに共通した対策として、ダブルチェックは効果的な対策になります。
どれだけ忙しい中でもダブルチェックを行うことで、ヒューマンエラーは少なくできます。
ミスが“0”になることはない
これまで、ミスの対策や予防の仕組みづくりの話をしましたが、それでもミスが0になることはありません。それはウェブ広告が日々アップデートを行い、最新の機能がリリースされることで設定項目や入稿方法などが変更・追加されることでミスにつながる箇所が増えるからです。
そんななかでも、今まで記載した“ミス”をなくす仕組みづくりをしていくと、新しいことが増えた時にミスが起こりやすいような箇所を発見しやすくなったり、新たに発生したミスに対してすぐに対応できる体制がつくられるはずです。
まとめ
私たちのチームで“いいチームはミスが多い”という言葉が一時期話題になりました。
それは単純にミスが多いのではなく、ミスをチームで共有し改善策を考え、アーカイブしていくことで多く見えるためです。
まずはミスをなくすということよりも、ミスの大小に関わらずすぐに報告できる環境作りからおこなっていきましょう。チームに対しても、もちろんクライアントに対しても正直に報告し、真摯に改善策・仕組みを考えていくことで、より強固な関係を築けるはずです。
そうすればおのずと同じミスでも結果は大きく違ってくるはずです。