WEB接客ツール「Flipdesk」の提供をおこなっている株式会社フリップデスク。様々なWEB接客ツールが存在するなか、Flipdeskは2014年からサービスを行っている先駆け的な存在です。実績も国内大手企業をはじめ800社1100サイトを超えます。今回のインタビューでは「Flipdesk」についてだけでなく、WEB接客ツールの動向や具体的な実施施策例まで、代表取締役社長 佐々木忍氏に話を伺いました。
株式会社フリップデスク 代表取締役社長 佐々木忍氏
WEB接客ツールによる顧客体験
– WEB接客ツールという言葉を聞く機会が増えていますが、具体的にWEB接客とはどのようなものなのでしょうか
「サイト上では、サイトに来た人の顔だったり姿だったりが見ることができません、実店舗だと人の動きを見て「この人はこれ探してそうだな」とか、推測して提案することができると思うのですが、これをインターネットでも実現可能にするツールととらえていただければと思います。」
— Fllipdeskではポップアップ機能とチャット機能の双方があるかと思いますが、その2つによってどのような接客を実現していけるのでしょうか
「ポップアップのほうだけですと、サイトを閲覧しているユーザーの動きを推測して情報を出す形になります。自分たちで定義したルールに基づいて情報を届けるということができると思うのですが、チャットに関しては具体的にユーザーの声を聞いて人の声で返すという形になります。顔が見えない中でも人と人とのコミュニケーションを実現すると、その双方が提供できるというその辺りですね。」
–やはりその顧客体験というのが重要なワードにはなってくるのでしょうか
「そうですね。当社のクライアントの中に、雑誌で商品の告知を行い、詳細の情報はECサイトで確認いただくよう遷移させる、かつ遷移先のECサイトではFlipdeskのチャットを使っていますという会社さんがあるんですけど…その会社さんでは、お客様からサイズ感や質感などの商品の細かな質問が来るんですね。(ですので)わざわざ電話して聞くほどではないけれど、とはいえ何も聞かずにサイトから離れてしまう人を減らしたいというご要望があります。チャットだと比較的容易に「ちょっと聞きたいことが聞ける」という環境を提供できるんじゃないかと考えています。ポップアップは使わずに、チャットだけ使っているという会社さんもありますね。ユーザーからの声が集められるという部分でチャットが一役買っています」
実店舗を超えるWEB接客ツール
–WEB上で接客はリアル店舗と比べると、どのような状況にあるのでしょうか
「現状ですよね。商品の情報はリアルで見ておいて、サイズ感とか質感を確認するんですが、買って帰るのが面倒だったり、ネットだとポイントもつく。だから決済はWEBでするという潮流が序盤で出てきていたなと思います。その中で、ネットで買っても、結局働いている人が多いので荷物が受け取れず、週末にまとめて荷物の再配達を依頼しないといけない。今度出てきている逆の流れは、ネットで買ったものを、帰り道にあるお店で一つずつピックアップして持って帰っていくと。ネットとリアルを上手に使っているユーザーが相互に出てきているので、どっちがいいというよりは、それぞれをどう上手に使うかというのを考えて買い物する人が増えている形でしょうか。」
–リアル店舗はもちろん、サイトも運営しているので、ない部分を補い合うイメージでしょうか
「そうですね。店員さんは人の顔を覚えてくれるけど、ネットでは覚えてもらえない。でも、WEB接客ツールを使えば、サイトに来てくれたらIDを読み込んで過去の購買履歴を元に何か新しい情報を出すことができます。店舗ではできるけどWEBではできないという点を補完するのがWEB接客ツールなどの役割かなと思っています。」
–リアル店舗での体験を必ずしも再現するというコンセプトではないとは思いますが、実際に、リアル店舗ではできたけどWEB上ではできていなかったものがWEB接客ツールによって実現されつつあるというところはありますか
「そうですね。むしろ、そこをやり込んでいくことによって実店舗を超えるのではないかと思っています。試着したいけど、店員さんに試着してもいいですかと聞くと、あれもこれも提案される、接客されるのが苦手で試着しないという方もいると思うのです。WEBでは 好きな情報を上から下まで見られますし、その中で、ポップアップで”あなたが見ている商品を買っている人は他にこんな商品も見ていますよ”とか、自分の知りたい情報がきちんと出てくるようになれば、お店で買い物するよりもネットで人目を気にすることもなく時間を気にすることもなく、天気が悪くても家から出なくてもいいと。そこの利便性が上がると、もっともっとECのマーケットが大きくなっていくのではないかと思っています。」
–服屋さんの場合、店員さんが接客で話すことが的外れだから邪魔になってしまうということがあり、WEBサイト上でもそこを外してしまうと同様に消費者から拒否反応が出てくる場合があると思います。そこの精度を上げるために起こっている技術革新といいますか、何かありますでしょうか。
「革新とまではいかないですが、見るべき指標として、「ポップアップを消された率」というのは注意して見るようにしていますね。CPCとかCVRとか売り上げにどう貢献したかという数字はもちろん重要なんですけど、ポップアップを閉じるというのが、ユーザーにとって不快だったときによく起こるアクションだと思っているので、出てきたタイミングの問題なのかクリエイティブの問題なのか、届けてる情報の問題なのかをきちんと見て改善していかないと、CPCやCVRなども上がっていかないと思うので。その辺りはクライアントとの月例ミーティングのときには きちんと見てレポーティングする指標の一つになっています。」
–クライアントさんと実際に相対してコンサルティング的な動きをやることも多いのですか
「運用コンサルタントチームを設けています。ツールのみの利用も可能ですが、導入初期については運用サポートプランの併用をお勧めしております。クライアント毎に、重要視しているKPIや事業課題を共有いただき、それぞれを改善させる為に、どのような活用方法が最適か、一緒にPDCAをまわし、効果的な施策の確立を目指すパートナー的な動き方をします。オプションの運用サポートプランは、Flipdeskをきちんと使いこなしたいものの、知見がないのでサポートが必要というお客様などに活用いただいています。このオプションメニューをご利用されているお客様には基本的には月に一度訪問して一ヶ月間のシナリオの中で良かった点悪かった点をレポーティングして、この結果を踏まえて次月の施策を協議しています。」
※プランによりサポート内容は変わります。
–サポートをされているのは御社の運用のスタッフ、チームのマーケターさんでしょうか?
「はい、専属でやっていて、そこがいちばん部署としては手厚いですね。20を超えるWEB接客ツールがある中で、運用サポートの部分を売りにしている会社さんというのは弊社ぐらいで、(そういった企業は)ほとんどなかったので一番最初に人の補填に動いたのは運用サポートの部分です。今期にも新たに1名採用と2名はグループ会社から配置転換で合計6名の運用体制となります。」
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