デザインの評価は難しい。しかし『タグ』を用いることでデザインの要素を
分解し、効果測定や管理が行いやすくなる。
この記事では具体的なやり方を公開していく。
『タグ』とは?
ご存じ、販売している洋服などについている「アレ」である。
値段や材質、製造元などが印刷してあり、何かを購入する際に
必ずと言っていいほど目に触れるものだ。
最近では「#ハッシュタグ」といったようなタグに関連した
新たなキーワードも生まれている。
そもそもこれは「モノを分類するため」に付けるのだ。
デザインに『タグ』?
デザインにタグと言ってもいまいちピンとこない。
バナーの金額と制作者でも貼り付けるのか?
フォトショップで作ったのか、はたまたイラストレーターで作ったのか書くつもりか?
もちろん、そんなことではない。
要するに因数分解
クリエイティブに『タグ』というのは
構成されている要素に『タグ』を付与していくのだ。
これをつけることで
クリエイティブを構成する要素を言語化し管理することができる。
実際に『タグ』をつけてみる
試しにこのバナーを構成する要素にタグを付与していってみよう。
シンプルなバナーデザインだが、このようにたくさんタグが付与された。
クリエイティブを構成する「要素」が特定できる
『タグ』を付与することで、バナーの構成要素に何が含まれているか理解できただろう。
一つ一つのデザインもこうやって分解して考えていくことで、
そのデザインがどう構成され、どう組み立てられているかわかると思う。
たくさん『タグ』をつけてみる
広告の検証をする際に、バナーはどういった要素が効果に寄与しているのか判別する必要がある。ここで様々なバナーをに『タグ』をつけてみた。
このように『タグ』を用いることで、一見変化のないようなバナーも、構成されている要素を細分化して考えることができる。
実際に効果を測定してみる
では、『タグ』を用いて実際に効果測定をしてみよう。
配信時にこういったレポートを用意してみた。
タグ | CTR | CVR |
---|---|---|
1日80円 | ||
身体をリセット | ||
商品名 | ||
ロゴ | ||
商品画像 | ||
商品手持ち |
各タグが付与されたクリエイティブに実際どういった効果が付与されるかモニタリングすることが可能になる。
(実はかなり細かい作業なのでレポーティング担当者は大変だ。)
配信結果から効果を分析
タグ | CTR | CVR |
---|---|---|
1日80円 | 0.30% | 1.30% |
身体をリセット | 0.40% | 1.20% |
商品名 | 0.20% | 0.80% |
ロゴ | 0.08% | 0.00% |
商品画像 | 0.30% | 1.00% |
商品手持ち | 0.50% | 1.50% |
配信の結果を見てみよう。
CTRを軸にした際に「商品手持ち」画像が高く、CVRを軸にした際にも「商品手持ち」画像が良いようだ。
また共通して「商品画像」が入っているものはCVRが高く、ロゴが入っているものに至ってはCVRがついていない。
「商品名」が入っているものに関してもCTR、CVR共に低い結果となった。
こういった結果から以下のような仮説を導きだすことができる。
- 人が持っているような親近感を感じさせることがCVRに寄与している可能性
- 「商品名」や「ロゴ」など広告色が強い表現は、興味を惹きつけることができない。
- 1日80円という価格に対してはポジティブな反応で、比較的リーズナブルな印象を与えている可能性
もちろん、この商品や結果は架空のものであることや、見る人により結果が異なる為、一概には言えないところもあるが、効果に寄与している要素を特定するのには、実はシンプルな方法であることがわかるかと思う。
つけた『タグ』はしっかり管理
プロモーションが継続するにつれ、制作するクリエイティブは増えていき、
それに伴い『タグ』も増えていく。
どのタグが効果に寄与していたか、しっかり管理していくことで
長期的なPDCAサイクルが回していけるだろう。
まとめ
今回はバナーに絞り込んで進行したが、LPやリスティング広告など、
効果測定できるクリエイティブに対してこの考え方や計測方法を用いることで
効果に寄与している要素を理解し、より良い改善案を導き出していくことができるだろう。
繰り返しにはなるが、実際にレポーティングを行うのには労力がかかる。
ただし、考え方が備わっているだけで高い精度で効果測定が行えることは間違いないので
是非とも試していってほしい。