サイト分析をする時にデータの期間をどう決めるべきか

分析・改善
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サイトの分析を行う際、計測期間をどのように設定すべきでしょうか。

多くの方が月ごとのデータ、もしくは週ごとのデータを集計し、前年との比較などを行っているかと思います。しかし、その基準となっている期間に意図はあるのでしょうか?適正な期間を評価していないがために施策の評価を誤ってはいないでしょうか?

今回はサイト分析における期間の設定について説明をしていきたいと思います。

サイト分析における計測期間の重要性

サイトに関するデータの数値変動を分析する上で、基準となる集計データの期間設定は重要となってきます。なぜなら集計する期間の長さによってトレンドの強さや、考慮すべき数値変動の要因が変わってくるからです。

例えば、1年間かけてユーザー数が30%増加した場合、その増加傾向は今後も続くきサイトは成長していると言えるかもしれません。

一方、1カ月でユーザー数が30%増加した場合、それは単に季節的な変動要因があるのかもしれませんし、計測した1カ月だけに行った施策の影響があっただけかもしれません。それは長期間での数値変動はより強いトレンドで、短期間での数値変動は少ない要因で大きく変化をしてしまう弱いトレンドとなるからです。

このように計測期間の長さを意識することで、分析をよりロジカルに行うことができるようになります。

  • 計測期間が長くなるほど表れているトレンドは強いといえる
  • 計測期間が長くなるほど変化の要因が複雑化するため変動要因が分かりにくい
  • 短期間でのトレンドは弱く、継続性が低い
  • 短期間での数値は比較的に少ない要因でも変化を起こす

基準となる期間を決める

サイト分析では月ごと・週ごと・日ごとのデータを軸として行うことがほとんどかと思いますが、どの期間を基準としてデータを集計すべきでしょうか。分析の意図と期間の特徴を合わせて価値のある分析をする必要があります。

  • 月ごとの数値はトレンドを見ることができるが、施策の変更による変動を確認しにくい
  • 週ごとの数値は施策改善による変動をある程度確認できるが、明確なトレンドを見つけにくい
  • 日ごとの数値は施策改善の影響が大きく出やすいが、数値変化の要因が多く断定しにくい
  • 次からは、月ごと・週ごと・日ごとのデータの特徴をいくつかの例で説明いたします。

    月ごとの計測をする

    年間の数値変動のトレンドを確認したい場合

    多くの企業や団体では月ごとの施策や目標を計画するので、月ごとのトレンドを把握しておく必要があります。

    そのため、年間の数値を月別に集計し、その数値変動を計測することは月ごとのトレンドを把握するために必要な分析となります。

    月ごとの施策によってどのような数値変動が起きたのか確認したい場合

    月の計画に沿って施策を展開したあとの効果測定も、月ごとで行う場合があります。

    例えば、前年の数値と比較して前年同月と比べて今年の施策が良かったのか悪かったのかを評価したり、前月からの改善がどの程度できたのかを確認します。

    ただし、月ごとの数値は複数の施策や外部要因に影響されているため、実際にどの施策が影響したのかという判断が難しい点を覚えておく必要があります。

    週ごとの計測をする

    週ごとの数値目標が設定されている場合

    企業や業界によっては週ごとで目標が決まっていることもあるかと思います。その場合には週別のデータを確認する必要があります。

    週ごとのデータは施策の変更が表れ安いので、目標達成のために行った施策が実際にどれだけ効果があったのかを確認する上で便利なものとなります。

    一方で、週で現れているトレンドは強いとはいえず、週ごとのデータで確認されたトレンドが長期間においても継続するのか、もしくは再現することができるのかといった判断は慎重に行う必要があります。

    施策の変更頻度が高く、その効果を評価する必要がある場合

    施策の変更を頻繁に行っており、多くの施策の効果を比較しなくてはならない場合にも週ごとのデータは有用となります。

    それは週ごとのデータは7日間という一定の期間であり、かつ施策変更の影響を受けやすいからです。

    ただし、週ごとに表れているトレンドは再現性が高いとはいえないため、たまたま成功した施策を効果のあるものと誤って判断してしまう可能性があるので注意が必要です。

    日ごとの計測をする

    サイトがバズるなどイレギュラーな事象をしたい場合

    日ごとの数値は急激な変化が表れやすいため、サイトに起こっているイレギュラーな事象を発見することに向いています。

    例えば、商品の1つがSNSで大きく拡散されたためにSNS流入が急激に増加した、などの事態が起こった場合、その変化にいち早く気づくことで仕入れ数を調整したり、関連した広告をSNS上に配信したりするなどの対応を迅速に取ることができます。

    また、あるページのPV数が極端に減少していることに気づき、調べてみたらページの遷移リンク先がエラーになっていたなどトラブルの発見にも役立ちます。

    短期間のキャンペーンを行っている場合

    日ごとの数値はわずかな要因でも変動しやすいため、施策の影響がすぐに表れます。

    例えば、期間限定の商品販売キャンペーンなどを行っている場合、日々の数値を確認することでキャンペーン内容を調整する必要があります。その調整が適切にできているのかを日ごとの数値で確認することができます。

    一方でトレンドの継続性や再現性は低いため、施策全体の評価はキャンペーン期間全体の数値を評価する必要があるといえます。

    週間のデータを曜日別に見たい場合

    試験的に施策を行った週があれば、曜日別の傾向を調べるために日ごとのデータを確認することも考えられます。

    ただし、前述の通り日ごとのデータでみられるトレンドは小さな変化に影響してしまう弱いものとなります。

    そのため計測されているトレンドは施策の影響ではなく、別の要因によって起こっている可能性もありますので注意してトレンドを分析する必要があります。

    比較の期間を決める

    サイトの分析では期間ごとの比較する事が多く、おもに前期間と前年が使われることになります。

    それぞれ比較数値の意味合いは異なりますので、サイトの特徴・施策の特徴・業界の特徴を意識して適切な期間を選ぶ必要があります。

    [aside type=”warning”]
    前期間とは、計測期間と同じ日数を計測期間の直前から遡った期間。例えば、計測期間が2018月10月10日~2018年10月15日ならば前期間は2018年10月4日~2018年10月9日となります
    [/aside]

    前期間との比較をする

    前期間との比較は、変更や改善を加えた施策によって、意図した数値の変化が起こせているのか、といったような点を評価するために行ったり、季節変動の少ない業界や新設のサイトのようにトレンドが明らかでない場合の数値推移を分析するために行われます。

    前期間との比較数値の解釈

    • 前期間より数値はどう変動する予想なのか、予想に対しどんな施策を行い、どんな結果が出たのか
    • 前期間からどの指標の数値をどれだけ変化させる計画だったのか、予定通りの変化が起こせたのか
    • 改善した施策がある場合、数値はどう推移したのか、予想通りであったのか、変化は適切だったのか
    • 新たな施策を行った場合、どのような数値となるはずであったのか、目論見通りに結果がでたのか

    前年との比較をする

    前年との数値比較では前年のトレンドに対して今年はどう変わったのか、前年の施策と比べて今年の施策は効果が高かったのか低かったのかなどを評価します。

    季節変動の大きい業界や、1年以上サイトの運営をしており、年間のトレンドが明らかになっているサイトなどでは前年との比較を行います。

    前年との比較数値の解釈

    • 前年よりもサイトの規模は大きくなったのか、想定の数値からどの程度乖離しているのか
    • 前年よりも季節変動が大きかったのか、小さかったのか、想定ではどの程度の変化があったのか
    • 前年と同じ施策をしている場合、効果は高かったのか、低かったのか、同じ施策でよかったのか
    • 前年と違う施策をしている場合、前年の施策よりよかったのか、悪かったのか
    • 新たな施策を行った場合、その施策によってどれ位の純増・改善が得られたのか

    まとめ

    今回はサイト分析の際に設定する期間について説明をいたしました。

    数値変動のトレンドや、施策の成否は期間の長さによって解釈が異なってくるため、適切な期間設定を行った上で分析をしなければ、誤った評価や判断が行われてしまう可能性があります。

    分析の目的を明確にして、期間の特徴を理解して上で施策を評価することで、数値を正しく評価し適切なサイトの改善を進めていきましょう。

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