この春から新たな気持ちでWeb広告業界に就職・転職をされた方も多いかと思います。
日々成長、変化するこの業界の中、まったく広告に関する知識がない状態で頑張っている広告運用超初心者の方にもわかりやすいよう、限りなく噛み砕いた内容で、これだけは必ず押さえておきたい広告運用の基礎知識と、同じく超初心者でこの業界に飛び込んだ筆者なりのおすすめ勉強方法をご紹介します。
そもそも広告運用とは
まずはじめに、”広告運用”という仕事についての基礎をお話しします。
WEB広告という市場
今回この記事で取り扱うのは、チラシや看板のようにたくさん種類がある広告の中でも、今やほとんどの人が毎日目にする「WEB広告」という種類の広告についてとなります。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末が普及してからはインターネットをする時間も増えた昨今。そんなインターネット上に出稿できる広告が広義での「WEB広告」となります。もっとわかりやすい例だと、インターネットで検索した際の検索結果ページや、TwitterやFacebookなどのSNSにも表示させることができるような広告です。
前述したように、多くの人が日常的に使用するインターネット上に表示ができるということは、やはり高い宣伝効果が期待され、しかもまだまだ成長が見込める市場とされています。
ざっくり!広告運用の仕事
宣伝したい商材の広告を、どんな人に表示させるかなどターゲットを絞ったり、限りある予算内でどれだけ良い効果を出せるか設定を調整したり、その結果を分析して次に生かすことが主な仕事となります。
これだけは覚えたい広告基礎用語
とにかくよく見る基礎用語
広告運用の仕事を始めると、避けては通れない基本的な用語がたくさんあります。その中でも超初心者でも触れ合うことになる用語について噛み砕いて説明します。
- リスティング広告
GoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索した際、その検索したキーワードに関連したサイトが表示される広告です。
出典:Google
クリック課金であること、ターゲットが絞りやすいことがメリットで、予算が低くても運用ができる方法の一つです。つまり、表示されてもクリックされない限りお金がかからない、しかも狙ったターゲット層にだけ表示できる、という特徴があります。
- ディスプレイネットワーク広告
ユーザーが閲覧しているWEBサイト上に表示される広告です。
出典:Yahoo!
バナーでの表示が多く、クリエイティブ面でも目を引くことができます。
出稿する媒体ごとに、広告が掲載される場所も違い、提携しているサイトによって使い分けたり、配信するターゲットを設定することも可能です。
- リターゲティング広告
サイトに訪れたユーザーがそのサイトを離脱した後も後を追って、そのユーザーが行く先々に表示する広告です。
上述したディスプレイ広告にも活用することができ、そのサイトの訪問リストのデータを作成することで、狙ったユーザーに再び広告を表示させることができます。
- ソーシャルメディア広告
Twitter、Facebook、Instagram、LINE、最近ではTik TokなどのSNS上に表示される広告です。
クリックしてサイトへ誘導するだけではなく、アカウントのフォローを増やしたり、ユーザーとのつながりを目的とする場合もあります。他の広告形態よりもユーザーの反応が目に見えやすいのも特徴です。画像や動画などクリエイティブ自体の影響も出やすい傾向があります。
媒体によってターゲティングの細かさが変わってくるので、商材や目的によって使い分ける必要があります。
最初に出会う効果測定10の指標
はじめに広告運用の仕事として、結果を分析して次に生かすという話がありましたが、その結果を分析する際にも必要な”10の指標”を紹介します。これらに慣れるのが早いほど、広告運用への理解度が深まるといっても過言ではありません。計算式が絡みますが、数字が苦手でも互いの関係性と意味が分かっていれば大丈夫です。
- コスト(Cost)
広告を出した結果、かかった費用の総額
発生するタイミングは広告の種類によって違います。
- インプレッション(Imp, Impression)
広告が表示された回数
- クリック(CL, click)
広告がクリックされた回数
- クリック単価(CPC)
広告が1回クリックされるのにかかった金額
Cost(かかった費用の総額)÷ CL(クリックされた回数)
- クリック率(CTR, Click Through Rate)
表示された中で、広告がクリックされた割合
CL(クリックされた回数)÷ Imp(表示されたい回数)× 100
- コンバージョン(CV, Conversion)
広告を出す目的として設定した行動
クリックされることだったり、時には広告からサイトに来てもらい、資料請求をしてもらうことだったりと多岐にわたります。最初のうちは、効果測定をする広告のCVが何なのかしっかり確認をとることが大事です。
- コンバージョン率(CVR, Conversion Rate)
広告をクリックしたユーザーが、コンバージョンとして設定した行動に至った割合
CV(広告を出す目的として設定した行動)÷ CL(クリックされた回数)× 100
- コンバージョン単価(CPA, Cost Per Action)
1回のコンバージョンに至るためにかかった金額
Cost(かかった費用の総額)÷ CV(広告を出す目的として設定した行動)
- ロイ(ROI, Return on Investment)
広告にかけた費用に対して、どれぐらいの売り上げがあったかという割合
(売上- 売上原価 – 投資額)÷ 広告費 × 100
- ロアス(ROAS,Return On Advertising Spend )
広告にかけた費用に対して、どれぐらいの利益が得られたかという割合
(売上- 売上原価)÷ 広告費 ×100
運用初心者が身に着けて損をしないスキル
上の指標や広告の種類を覚えても、まだまだできることは少ないかもしれない最初のうちに、今後のために絶対身につけたほうがいいスキルがいくつかあります。簡単なことのようにも見えますが、身に着けた時の仕事の効率が段違いだと思いますので、ぜひ積極的に自分のものにしてみてください。
- Excel
Chimpanzineにも為になるレポート作成テクニックをご紹介しています。
【WEB広告担当者向け】レポート作成時間を短縮できるExcelテクニック
- ショートカットキー操作
Excelだけではなく、パソコン作業全般に関していえることは「ショートカットキーを使いこなしましょう」です。単純に作業が早くなるということもありますが、選択し忘れなども防ぐことができます。
- 色々なSNSを操作できる(個人アカウントでつかいこなす)
広告はSNSだけではないですが、今一番身近に目に触れるものはやはり使いこなせるに越したことはありません。今まで個人的にはSNSのアカウントはめんどくさくて持っていなかった、なんて方も、広告運用の仕事に就いたならば興味本位で手を出してみてください。どういった広告がどんな反応を受けているのかなど、運用目線で情報収集するのも面白いです。
まとめ
今回、超初心者向けにかなり噛み砕いた表現で広告運用の基礎をご紹介しました。最初のうちは呪文のような用語達も、意味が分かってくるととても面白いです。日頃レポートを作成しながら各指標の数値の意味を考えると、実際の流れがわかってくるのでオススメします。
また、記事内で紹介したスキルは、できれば身に着けるというよりは必須となってくるかと思います。エクセルの技術などは先輩方の技術も盗みながら、単純作業を短くしていったり、資格を取る目標を設定して勉強もいいかもしれません。