”できる営業マン”が知っておきたいレンタルサーバーの選び方

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さくらサーバー(https://www.sakura.ad.jp/)エックスサーバー(https://www.xserver.ne.jp/)へテムル(https://heteml.jp/)お名前.comレンタルサーバー(https://www.onamae-server.com/)ロリポップ(https://lolipop.jp/)XREA(https://www.xrea.com/

前回「【WEB制作】”できる営業マン”が受注時に確認しているサーバー要件とは?」という記事を書きましたが、今回はその中でも”レンタルサーバー会社と契約プラン”について考えます。前提として本記事の読者を営業職と想定している為、選定の際の考え方を中心とし、細かな数値等については深く触れない点を予めご了承ください。

できる営業がレンタルサーバーを選ぶ前に考えていること

前回記事をお読みいただいたあなたはもうお気づきかと思いますが、まず念頭に置くべきはサーバーに設置するウェブサイトの要件定義です。ユーザーが訪問するウェブサイトを建物に例えると、サイトを設置するサーバーは建物を支える基礎になります。アクセス数やデータ量の重さに基礎が耐えられなくなれば、設置したコンテンツにアクセスする事ができなくなります。適切な基礎を選定する為にまずは、要件をしっかりと定義しておく事が重要です。

サーバーに設置する、ウェブサイトの使われ方を想定する

あなたがこれから納品し、サーバーに設置されるウェブサイトのコンテンツはデータ量が大きいのか小さいのか、アクセス数はどの程度を想定しているか、大まかで結構ですので把握しておきます。動画コンテンツがメインのサイトと、テキストと画像で構成されたサイトではサーバーへの負荷が異なります。また広告配信でのアクセス獲得を主眼に置いた戦略であれば、ある程度アクセス数を予測したりコントロールできますが、SNSへの拡散によるバズを期待しているなら、一般的なレンタルサーバーでの対応は難しいでしょう。データ量とアクセス数の両面を考慮したサーバー選びが必要です。

レンタルサーバー会社の選び方

納品時の仕様と将来的な変更を把握する

ほとんどのクライアントは、ウェブサイトを利用してビジネスチャンスを得ようと考えているはずです。その為のサイト更新やコンテンツ追加・広告施策との連動など、納品後には様々な変更が生じます。まずは納品時の仕様を基準にサーバーを選定し、クライアントから将来的な変更の希望が事前に提示されていれば、その変更が実現可能なサーバーかどうかも事前の選定基準に加えます。

しかしながら、将来の変更内容や変更時期に具体性が無ければ、将来の変更を見越したオーバースペックなサーバーを契約する必要はありません。スペックの高いサーバーが必要になる頃には、クライアントもサイト運営に手応えを感じているはずです。当初選択したものからの変更であっても、喜んでサーバー移管の為の費用を負担してくれるはずです。

できる事とできない事を把握する

レンタルサーバー会社には、それぞれ仕様や規約により使い方や機能にできる事、できない事が存在します。ここではエックスサーバーとさくらサーバー、2社のレンタルサーバー会社を例に解説します。

例えば契約プラン変更時には、エックスサーバーではデータ移管の必要がありません。さくらサーバーでは変更する都度、データの移管作業が必要になります。また契約者以外のユーザーにサーバーを利用させる再販について言えば、エックスサーバーでは会員制のブログシステムの様に、不特定多数向けに再販をする事ができませんが、さくらサーバーでは特に制限がありません。

最後に複数のドメインの異なるウェブサイトを設置する際に関わってくるメール機能です。さくらサーバーでは同一名宛のEメール(aaa@〇〇〇.comとaaa@△△△.com)をドメイン毎に選別する事ができません。エックスサーバーではこれらが可能となります。

エックスサーバーさくらサーバー
データ移管無しのプラン変更×
不特定多数への再販×
同アカウント名、別ドメインでのメール受信×

これらはできる事できない事の一例になりますが、まずは要件を確定させ、ウェブサイトで実現したい機能と各サーバー会社のできる事できない事と照らし合わせサーバー会社と契約プランの候補を絞り込んで行きます。

プランを選ぶ際の留意事項

データ容量

上位プランになるほど、設置できるデータ容量が大きくなります。参考に、さくらサーバーのプラン毎のデータ容量(赤枠部分)を添付します。

さくらサーバープラン比較(https://www.sakura.ne.jp/plans.html

本記事が掲載されているChimpanzineはWordPressで構築されたウェブサイトですが、インストールしたばかりのWordPressのデータ容量は40MB程度です。また一記事あたりのデータ容量は動画を使用しなければ概ね数MB程度です。この事から例え記事を1,000ページ設置した場合でも、総容量は数GBの想定となります。

つまりサーバーの容量はこのケースでは、別段神経質に考える項目ではないという判断ができます。反対に大量の動画コンテンツを必要とするサイトなど、データ容量を気にしなければならないケースが特殊であると認識していれば問題ありません。

転送量

転送量はサーバーとブラウザ間を行き来するデータの量を表し、主にサイトページを表示する際のダウンロードデータの量と認識しておけば問題ありません。プラン毎に転送可能なデータの総量の設定に違いがある為、規定の量を越えるとサーバー負荷軽減の為に一時的にサイトが表示できなくなる事があります。ページ単体のデータ量はGoogleChromeブラウザをお使いであれば、F12キーを押して表示されるディベロッパーツールで確認する事が可能です。

上部①の赤枠「Network」タブを選択し、ページが全て読み込まれたら下部②の赤枠「transferred」部分に当該ページの表示に必要だったデータの転送量が確認できます。ちなみに、ChinpanzineのPC版トップページで2MB程度です。(執筆時点)下記にさくらサーバーの、契約プラン毎の転送量を添付します。

【さくらのレンタルサーバ】基本仕様(https://help.sakura.ad.jp/hc/ja/articles/206053142–%E3%81%95%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%AE%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%90-%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E4%BB%95%E6%A7%98

一日あたり80GBまで転送が可能なスタンダードプランで考えてみると、単純計算でChimpanzineのトップページを1日に40,000回表示が可能だという事になります。

既存のサーバーでは対応できないケース

VPS

バーチャルプライベートサーバーの略で、前述のエックスサーバーやさくらサーバーをはじめ、レンタルサーバー各社が提供しているサービスです。通常のレンタルサーバーでは、機能面で対応できない場合の選択肢となります。
例えばユーザーが動画をアップロードし、その動画にテキストを配置できる機能が必要なサイト要件があるとします。一般のレンタルサーバーでは実現不可能な機能ですが、VPSであればサーバーに動画編集ソフトをインストールして実現する事が可能です。サーバーの設定、保守、セキュリティ面で技術的な知識が必要とされるため、プロジェクトにサーバーエンジニアのアサインが必要になります。

AWS

アマゾンウェブサービスの略で、アマゾンが提供しているクラウドサーバー関連のサービスです。最大の特徴は拡張性です。サイトアクセスが一時的に急増するケースやデータが青天井に増える可能性のあるサービスなど、その時々の状況に合わせてサーバーの規模を柔軟に拡大したり縮小したりする必要がある場合の選択肢となります。VPSと同様にサーバーエンジニアの担当領域になります。AWSの様なサービスは一般的にIaaS(イァース)と呼ばれますが、これらの利用を検討する案件を担当する頃にはあなたの経験やスキルもかなり豊富になっているはずです。反対に、まだ経験の浅い頃に手を出すにはリスクが高いと考えておくべきです。IaaSには、AWSの他にGoogleやMicrosoft・他レンタルサーバー各社も提供していることも把握しておきます。

まとめ

  • できる営業は、レンタルサーバーを選ぶ前に要件定義の重要性を理解している。
  • できる営業は、サーバーに設置するウェブサイトの使われ方を想定している。
  • できる営業は、納品時のサイトの仕様と将来的な変更について把握している。
  • できる営業は、レンタルサーバーによってできる事とできない事があることを把握している。
  • できる営業は、契約プランを選ぶ際、データ容量と転送量についての概要を把握している。
  • できる営業は、既存のレンタルサーバーでは対応できないケースの選択肢を把握している。

是非この機会にサーバー選びの考え方を理解していただき、できる営業としてクライアント、制作チーム双方から信頼される存在を目指していただけますと幸いです。