新しい求人検索サービス「Google For Jobs」ってなに?

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2000年代初期より、採用活動の主流である求人ポータルサイト。タウンワークなどの紙媒体からweb上での媒体を介して、2019年現在も採用活動の主流である事は間違いありません。しかし、昨今主流になっているからこそ、数多くの企業がこぞって、求人サイトに自社の採用ページを掲載します。
いわゆる企業採用ページの飽和状態です。

人材企業である株式会社ネオキャリアが2016年1月から2018年12月までの各求人ポータルサイトの掲載社数の推移を調査しています。一部を除いて右肩上がりに掲載者数は増加しています。

各求人ポータルサイトの掲載社数の推移

このような採用市況で求職者は本当に自分に合っている企業を見つけることができるでしょうか?

おそらく膨大な情報量を前にどの企業が良いのかどうかも判断することができないでしょう。そんな中、近年求職者側が自ら検索して就職活動を行う「検索型の職探し」が新しい採用手法として注目され始めています。

今回は検索型の採用手法の中から新しく台頭した「Google For Jobs」について紹介いたします。

2017年6月に「Google For Jobs」がサービス化

世界規模で毎日多くの人が利用してる検索エンジンであるGoogleが新しく2017年6月に「Google For Jobs」をリリースしました。普段私たちが、様々な情報を調べるために利用するGoogleの検索結果上に企業の採用ページを掲載できるというサービスです。冒頭でも述べたように言うまでもなく求職者の「検索型の職探し」の動きに合わせたサービスになります。

Googleが提供しているGoogle For Jobs

Googleが提供しているる求人情報検索サービスです。サービスリリース直後は、この求人検索機能を使える地域に日本は含まれていませんでした。ですが、2019年1月23日に日本でも「Googleしごと検索」という名称でサービスが開始されております。

そもそも新しい採用手法として注目され始めている理由

冒頭でも記述したように、求人ポータルサイト上での掲載社数は飽和状態になっています。ポータルサイトに会員登録した求職者は、毎日膨大な数のスカウトメールを受け取るので、その数あるメールの中から自社に興味を持ってもらい、求人ページに訪れてもらわなければなりません。

企業側も求職者側もお互いが望むような採用を行える可能性は低くなってきています。そんな状態の中、「検索型の職探し」のような採用活動が近年注目されています。人材業界のGoogleとも言われているIndeedが代表的なものになります。先に述べたスカウトメールのようなものは一切なく求職者が自らが希望している業種や職種・さらには地域名など「実際に検索をかけて」採用ページを探します。

企業は欲しい人材像に合わせて採用ページを見つけることができるようにしていくという新しい採用の流れです。これにより求職者側の転職ニーズは求人サイトよりも高く、そんな中から自社のページを見つけ出し、応募するので従来の採用手法よりも高いマッチング度が期待できます。

他の求人検索エンジンとGoogle For Jobsの違い

流入数の違い

2018年の採用市場のトレンドになったIndeedの1か月での利用者数は、約1,000万人(2016年3月時点)と言われています。世界では約2億人のユーザーが利用しています。

http://felixeed.jp/2016/03/24/1499/

Google For Jobsは、サービスが始まったばかりなのでこれからのサービスとなりますが、日本国内のGoogleの利用者数は、1か月で約6,000万人にも上ります。(2018年5月時点)この6,000万人の中のどれくらいのユーザーが実際にGoogle For Jobsを利用するかはこれからになりますが、日本全人口の約半数のユーザーが利用する可能性がある事は間違いありません。

掲載のされ方の違い

実際の検索のされ方は、Indeedとどのように違うのかを見ていきます。

Indeed掲載画面

Indeed掲載画面

Indeedでは、「キーワード」と「勤務地」の2ワードで検索します。
その検索結果画面は、基本的にはテキストベースで企業情報が掲載されます。主な掲載情報は、「企業名」「年収」「募集職種・仕事内容」等です。
Indeedの中で基本的に掲載されるので、求職者の主な行動の流れは、Indeedに流入する、検索行動を起こす、採用ページを見つける、企業独自の採用特設サイトへ遷移する、閲覧し応募に至るという流れです。対するGoogle For Jobsの掲載結果画面は下記のようなものになります。

Google For Jobs掲載画面

通常のリスティング広告の枠の直下に、Google For Jobsとしての専用の掲載枠が存在します。基本的な掲載情報は、Indeedと変わりません。ですが、Indeedとの大きな違いは、検索者が検索した地域に対応して、近くの企業の求人ページを掲載します。

掲載結果の求人ページをクリックすると、Google Mapと一緒に企業の所在地も検索できる

費用のかかりかたの違い

続いて費用のかかり方の違いを見ていきます。今現在web上で行うことができる採用活動は、主に3種類です。

1_リクナビ・マイナビなどの期間設定型の求人媒体
2_Indeed・careerjetなどのクリック課金型の求人媒体
3_そして、Google For Jobsです。それぞれの費用感をまとめてみました。

1_リクナビ・マイナビなどの期間設定型の求人媒体

期間設定型の求人媒体

リクナビNEXTの金額プラン表 https://www.human-work.co.jp/rikunavi_next/

今主流の採用手法である求人媒体ですが、掲載する期間やプランによって金額は様々です。最低2週間の掲載から4週間の掲載まであり、最大金額は180万円以上になります。また、その期間中に欲しい人材が見つかり採用活動が終わっとしても、その期間は掲載はされ続けます。費用感としては、3つの採用手法のうち、最も高額です。

2_Indeed・careerjet

上記のような媒体は、クリック課金型の媒体と呼ばれます。ユーザーが実際に検索し、採用ページの広告をクリックするまでは、金額が発生しません。ユーザーが一人求人ページに流入する毎に金額が発生します。つまり先述の求人媒体とは違って、採用活動が終われば広告の配信をすぐに停止することができるので無駄な費用が発生しません。

また、自社の採用サイトを制作し、Indeedのクローラーに引っかかるような仕様にすれば、費用をかけなくても、ユーザーの検索ワードによって「関連性が高い」と判断された場合、求人ページを掲載することができます。採用サイトの構成やデザインを日々改善していき、上位表示されるような仕様になってくれば、特別費用をかけずとも応募者が集まってくることもあります。

3_Google For Jobs

費用が発生するケースが存在しません。すべてGoogleの検索結果内の「求人ページ掲載枠」にて自然的に掲載がされます。つまり、Google For Jobsで上位表示されるような対応をすればするほど、採用サイトへの流入数が増え、採用率の向上に繋がる可能性が高いと言えます。

実際に採用活動を行ってみよう

採用特設サイトを用意しよう

Google For Jobsは、いわば今までの企業HPや企業サービスサイトの「SEO対策」の採用特設サイト版です。まずは、求職者が流入できるような採用サイトを制作する必要があります。採用特設サイトは、制作するのに費用がかかってしまいますが一度制作してしまえば、リクナビ等の求人媒体の設定された期間の掲載ではなく、未来永劫残り続けるものになりますので、未来への人材採用への投資として考えて制作しましょう。

構造化データを活用しよう

採用特設サイトが完成したら、上位表示させる為に構造化データを使います。

マイナビの求人ページの構造化データ

マイナビの求人ページの構造化データ

Google For Jobsで上位表示される為には、下記のプロパティが必要になります。

1_datePosted:雇用主(企業側)が求人情報を投稿した最初の日付になります。

2_description:HTML 形式での求人の詳細な説明になります。(職務、資格、スキル、業務時間、学歴に関する要件、経験に関する要件など)

3_hiringOrganization:会社名を表します。

4_jobLocation:オフィスや作業現場など、従業員の職場となる特定の場所を指します。

5_title:職務の名称(職種)を指します。

6_validThrough:求人情報が期限切れになる日付になります。

必須以外にも、Googleが推奨しているプロパティは他にもあります。SEO対策の様に、『Googleで検索されやすいように、採用サイトのソースコードを調整しながら、改善を図っていく」という事がGoogle For Jobsには求められます。

Google For Jobsでの採用活動の効率を上げよう

先述で、構造化データを用いて採用サイトを上位表示されるような形にする事がポイントとして述べました。しかし、採用サイトを改善の為変更した際、毎回構造化データも変更する事は非常に手間になります。そこで、Googleに対応している採用管理システム(ATS)を使ってみましょう。Googleのページでは「サードパーティの求人サイトを利用する」と説明されております。

これらに該当するものは、リクオプ、engage等にあたります。他でもGoogleに対応している採用管理システムはありますので、費用は掛かりますが、導入の検討をするのも採用活動の手助けになるかもしれません。

日々採用活動の改善が必要です

良い事ばかりではありません。「構造化データを使って、Googleに掲載されるようになった。さらに採用管理ステムを使って、採用サイトの変更の際もスムーズに対応できるようになった。でも、応募が来ない」という状況に陥ってしまう可能性が高いのがGoogle For Jobsです。

そこで、従来のリクナビなどでの採用活動と違って、この採用手法に必要になってくるのは「改善」です。どれだけ上位表示されようとどれだけ最新の情報を載せようと、採用サイト上に求職者にとって「いい情報」が記載されていなければ応募に繋がりません。

採用サイト内のコンテンツを日々改善していく事がこの採用手法における最大の近道です。Google Analyticsやヒートマップツール等を駆使してデータを蓄積し、そこから得た改善策を採用サイトの修正に生かし、またデータを蓄積するというサイクルを絶えず回し続ける事が採用成功のカギとなります。

まとめ

新しくサービス化された「Google For Jobs」。現在採用活動を行っている企業様でこの記事を見られた方は、一度情報を収集してみてもいいかもしれません。
また今回は検索型の採用手法としてGoogle For Jobsを取り上げましたが、Indeedやcareer jetなど近年ユーザー数が伸びている求人検索エンジンの媒体が他にもたくさんあります。広い視野を持って、様々な情報を収集し、ぜひ自社の採用活動に応用してみてください。

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