まさに戦国時代!市場には多くのBIツールが存在!
BIツールはデータを集積しビジュアライズすることによって分析を可能にするツールで、TableauやGoogleデータスタジオといったものが有名です。現在、多くの企業からツールが提供されており、ある調査会社のデータを見たところ174ものツールがありました。まさに戦国時代といったBIツール市場ですが、一体何を基準に選べばよいのでしょうか?
今回は私が実際に使用しているBIツール3つの比較を行いました。それぞれの良い点を比べながら、あなたの会社やビジネスに適切なツールを選んでみてください。
おすすめの3つのツールを比較!
今回は、本ブログでもお馴染みのGoogle社の”Googleデータスタジオ”、Mircosoft社の”Power BI”、そしてPtmind社が提供している”Detadeck”の3つのツールを比較します(Ptmind社はヒートマップツールの”Ptengine”が有名ですね)。それぞれ”優れている点”と”改善をしてもらえたらいいなという点”がありますので、それらを紹介いたします。
Googleデータスタジオ
まずは、これまでの記事でもご紹介してきましたGoogleデータスタジオの紹介です。私個人も使用時間が最も長く、お気に入りのツールですが、改めて良い点と改善してもらいたい点を挙げてみます。
- Googleデータスタジオの良い点
01. とにかく操作性が高い
Googleデータスタジオで最も優れている点は、とことんユーザービリティにこだわって作られていることです。表テーブルやグラフの作成やカスタマイズを手軽に、そして直感的に行うことができます。
操作がとにかく直感的で使用感はバツグン
02. Googleアナリティクスとの相性が良い
Webサイトを運営している方の多くがGoogleアナリティクスを利用しているかと思います。同じGoogleのツールだけあって、リアルタイムでデータ更新ができることは勿論のこと、他のツールでは使用ができない、もしくは設定が面倒臭い”カスタムセグメント”も簡単に使うことができます。
Googleアナリティクスで設定したカスタムセグメントも簡単に適用できます
- Googleデータスタジオの改善してもらいたい点
01. レポートの管理がやりにくい
Googleデータスタジオで作成したレポートはTOPページに一覧が表示されます。しかし、フォルダで管理をすることができないため、レポートの管理が非常に雑多になってしまいます。作成したレポートのファイルはGoogleドライブにも保管されていますが、それらを管理する手間も発生してしまいます。
レポートが増えると管理が煩雑になってしまう
02. 自分以外のGoogleアナリティクスデータを使いにくい
Googleデータスタジオでは、ログイン中のGoogleアカウントに紐づいているデータしか使うことができません。例えば、複数のアカウントを管理しなければならない場合は、Googleアカウントを切り替えながら作業する必要が出てきます。
Googleアカウントを大量に管理する必要があります
MicrosoftのPower BI
2つめに紹介するのはPower BIです。Googleデータスタジオと比べ知名度は劣るのですが、Microsoft社が力をいれて拡販しているツールです。内容は技術者向けの印象も受けますが、使いこなせれば便利で強力なツールとなります。
- Power BIの良い点
01. エクセルの関数のようにデータを整形することができる
Power BIではDAXというエクセルのような関数を使うことで、自由に計算をすることが可能です。DAXはマスターするまでに時間がかかりますが、簡単な計算であれば難しくはありません。Googleデータスタジオでは計算が不便だと感じている方は利用をしてみてはどうでしょうか。
エクセルの関数のように計算式を使うことができる
02. データソースの連携が直感的に行える
BIツールで重要となってくるのは、異なるデータソースを連携させることです。Power BIではRelationと呼ばれる機能があり、データソースの連携を直感的に行うことが可能です。
キーとなるデータ同士を直感的に繋ぐことができる
- Power BIの改善してもらいたい点
01. ビジュアルがいまいち
Power BIでの不満はビジュアルがいまいちな点です。例えば、表テーブルやグラフでよくみられる青系の色や赤色がデフォルトで用意されていません。また、緑色が主要な色として用いられてますが、2番目に優先されるのがブラック系のため、美しいグラフの作成に手間がかかります。
スタンダードな青系の色がなく標準のカラーリングが暗い
02. エンジニアでなければわからない機能が多い
Power BIにはクエリエディターと呼ばれる機能があります。これはデータに対してプログラムを組むことで、データ整形・結合の定型化を可能にするものですが、内容がややエンジニア向けです。一番の問題点は、予期しないエラーが発生した際、専門用語やエラーコードで警告が出るため、エラーの原因や修復の方法がわからないことが多い点です。
クエリを理解していなければ対応が難しい場合もあります
PtmindのDataDeck
最後に紹介するのはPtmind社のDataDeckです。2016年9月から日本でもサービス提供が始まったツールで、Ptengineというヒートマップツールで有名なPtmind社から提供されています。他の2つと比べて認知度は低いですが、GoogleデータスタジオやPower BIにはない機能があります。
- DataDeckの良い点
01. 広告媒体と直接連携できる
多くのBIツールでは他のマーケティングツールとの連携をウリにしています。しかし、日本でよく使われるYahoo!での広告やFacebook広告と直接連携できるツールは多くありません。今後もデータ連携を強めていくようなので、要チェックな機能です。
Yahoo!広告と直接連携ができるツールは珍しい
02. レポートの共有がURLで発行できる
DataDeckではアカウントを持っていない人にもURL一つでレポートを共有することができます。URLへのアクセスにはON/OFFの機能とパスワードを設ける機能が備えられているので、任意のタイミングで特定の人とデータを共有することができます。
URLでデータを共有、セキュリティの設定もできます
- DataDeckに改善してもらいたい点
01. 操作性がいまいち
表テーブルやグラフの作成する際の操作性の悪さがDataDeckでイマイチな点です。例えば、図表の削除をDeleteキーやBackspaceで行えない、図表のコピーをCtrl+Cで行えないなど、作図に余計な時間を要してしまいます。
削除ボタンを表示させクリックしなければならない等、操作性に難があります
02. データ連携にSQLの知識が必要
DetaDeckでは異なるデータ同士を結合させるための機能はあるものの、SQLを使いこなせる必要があります。非プログラマーにとっては難易度が高く、技術的なハードルは高いといえます。
SQLを使いこなすのは難易度が非常に高い
結果発表!それぞれのツールを総評すると?
Googleデータスタジオ
総合的に最もバランスがよく、一般的な使用において十分な機能と高いユーザービリティが担保されています。特にGAでアクセス解析をメインに行っている方にとっては強力なツールとなります。一方で、様々なデータソースを結合する場合は依然として力不足という印象が否めません。
Power BI
データを自社仕様に自由に整形したい、といった場合の柔軟性がもっとも高いです。特に、異なるデータソースを直感的につなぐことのできるリレーション機能は非常に便利です。ただし、機能を使いこなすためにはDAXやクエリの習得が必要となるため、導入ハードルが高くなってしまいます。
DataDeck
Google広告やYahoo!広告のデータをリアルタイムで同時に見たい!などの要望がある場合にはDataDeckがイチオシです。データの共有もURLで簡単に行うことができ、チーム内で数値共有を行いたい場合などは便利に使うことができます。その一方でユーザービリティが高いとはいえず図表作成に手間がかかってしまうことは問題点といえます。
まとめ
今回は私が利用しているBIツールの3つを比較してみました。どんなツールにも一長一短はありますが、分析の目的・行いたいデータの管理方法と照らし合わせて最適なツールを選択してみてはいかがでしょうか。特にGoogleデータスタジオは無料で使用することができますので、Googleデータスタジオ+別のツールといった使い方もできれば、より”広く”、”深く”、データの解析ができるようになるのではないかと思います。